糖質制限ダイエットには脂質制限がいらない理由をわかりやすく解説してみた
糖質ダイエットといえば、今やダイエットメソッドの代表格です。
しかし理論的にメカニズムを正しく理解している人が多いとは言えない気がします。
特に、糖質を制限していても脂質まで制限しないと太るのではないかと考える人も多いのではないでしょうか?
結論からいえば糖質制限ダイエット中に脂質制限まで厳しくしてしまうと危険です。
ということでなぜ糖質制限ダイエット中には脂質制限が必要ないのかを出来る限りわかりやすくお伝えしたいと思います。
カロリー制限では脂質制限は正しかった
まず理解が必要なのは、なぜ脂質制限が今までダイエットで有効と考えられてきたかということです。
あなたも、なんとなく「油物は太るよな~」、「だからダイエット中に脂質は控えるのは当然」と思っているのではないでしょうか?
実はこれカロリー制限がダイエットの中心メソッドだった時には正解だったのです。
理由は摂取重量あたりのエネルギーの大きさにあります。
どういうことかというと、1g摂取した時のエネルギー量が脂質が一番大きいのです。
人がいわゆるエネルギーを体内に摂取しようと思った時には3大栄養素が主なものになるわけですが、それぞれのエネルギー量が
- タンパク質:4kcal/g
- 脂質:9kcal/g
- 炭水化物:4kcal/g
ということで、同じ重さの脂質を摂取した時、タンパク質と炭水化物の実に2倍以上のエネルギーが摂取できてしまうのです。
つまりカロリー制限のダイエットをしている場合は脂質はエネルギーを吸収するのに効率が良すぎて逆に太ってしまうと考えるとわかりやすいかもしれません。
なので、脂(油)は太るというイメージがあるんですね。
ところが何度かこのブログでもお伝えしている通り、実際には糖質を摂取することによって分泌されるインスリンが糖質(ブドウ糖)を中性脂肪に変えています。
そこで糖質を制限することがダイエットとしては正しいのではないかというのが最近のダイエット理論です。
それでは次に糖質制限をしている時には、同時に脂質制限までする必要な無いという理由をお伝えしていきます。
最初は正直びっくりした摂取すべき脂質割合
糖質を制限した状態だと当然摂取エネルギーは、その分少なくなります。
それはわかりますよね?
例えば、日本では3大栄養素の摂取割合(最近では「エネルギー産生栄養バランス」なんていいます)を
タンパク質:脂質:炭水化物=13~20%:20~30%:50~65%
上記のようにしましょうというのが目標になっています。
仮に今まで炭水化物によりエネルギーを50%摂取していた人が20%まで落としたとすれば、30%のエネルギー量は減少するわけです。
糖質を減らしたことによりインスリンの分泌量が少なくなり中性脂肪は減ると考えられますが、急激なカロリー摂取量の減少はいろいろな意味で危険です。
だとしたら他のタンパク質か脂質で不足分を補う必要があります。タンパク質の摂取でも構いませんが、タンパク質をあまり多く摂取するのは体に負担がかかると言われています。
特に腎臓が悪い人は糖質制限自体をしてはいけないので注意が必要です。
だとしたら、脂質でエネルギー摂るというのが選択肢になってくるわけです。
すなわちむしろ脂質を制限するどころか積極的に摂らなくてはいけないのです。
ちょっと私もにわかには信じられなかったのですが、最近多く出ている糖質制限の書籍などは、かなり信ぴょう性が高いデータを並べて
「脂質を積極的に摂ること」
をすすめていますので、私としては信頼性が高いなと思います。
さらに言えば、人類が穀類から糖質(炭水化物)を摂取するようになったのは約700万年の人類の歴史のうち、ここ1万前くらいからに過ぎません。
農耕が始まる狩猟時代までは脂質からのエネルギー摂取が約75%もあったというデータも有ります。
さすがにそこまで脂質の摂取割合をあげるのは抵抗がありますが、糖質制限食で有名な江部先生が推奨する脂質の割合は56%ですので、そのくらいまでは積極的に脂質をとっても大丈夫でしょう。
3大栄養素の摂取割合に関する諸説については今後も注目したいですね。
ちなみに油ならどんな油でも摂っていいわけではありません。良質な油を摂取することが不可欠ですのでご注意を!
摂っていい油、悪い油についてはこちらが詳しいです。
>>あなたを生かす油 ダメにする油 ココナッツオイルの使い方は8割が間違い
追記
体脂肪を減らすには糖質制限よりも脂質制限のほうが優れているとの説も出てきました。
糖質制限は人類の歴史からしても理にかなっているので、長期的に健康を保つためには必須であると考えています。
糖質を摂取することでインスリンが分泌されることは明らかなので、体脂肪を急速に減らすためにはためには、あるいは脂質制限も有効かもしれませんが、
血管の保護などについて考えればはやり糖質制限で月に2kgずつくらい痩せていくことをこれからも続けていこうと思います。
あとはプラス適量の運動ですね。