録画してあった『ラヴソング』第2話をたったいま見終わった。
ん~、前回の回顧録でも書いたんだが、率直なところ藤原さくら演じる佐野さくらは非常に観ていて痛い。
正直なところ、僕的には『ラヴソング』は吃音者にとってNGかなって思った。きっとどこかで誰かが賛否両論の議論を戦わしている。あえて調べはしないが・・
以下、もしかしたらネタバレになる部分もあるので、これから『ラヴソング』の第2話を観ようとしているなら、頭に入れておいて欲しい。
まず泣けたのか?の観点
前回の回顧録で、さわりだけ観て「きっと泣く」と直感したわけであるが、結局泣けたのか?
結論から言ってしまえば前半は泣けた。泣けたどころか当時のことを思い出して号泣した。
それは、福山雅治と一緒に藤原さくらが立ち食いそば屋に入ったシーン。
そこで先に福山がオーダーするは、特天玉海老わかめ丼。
そこでスッとどこかに行ってしまうのが福山の芸風。普通、吃音者のさくらの分まで注文するだろうに。。。
まあでも、お陰様でというべきか、さくらがひとりで注文することになったのですが・・・
まあ、ちゃんとオーダーできませんわな。
このシーン、完全な吃音者だった僕としては、泣けるほど共感できた場面。
僕の立ち食いそば屋でのネックは、そばかうどんかと聞かれた時だった。
「うどん」この2文字をいうために、今日の昼は立ち食いそばにしようと決めた時から悩んでいたあの頃。
具体的には、「う」の音が出てこない。
それでも工夫をして、「う」を「うぉー」おか「をー」みたいに発音することによって乗り越えたこともしばしば。
だから、きつねうどんは、きつねをーどん、とか、きつねうぉーどん、とか言ってオーダーしていた。
それでも日によってコンディションがあって、どうしても言えなさそうなときは最初から諦めてそばを頼む。
なぜか、そばは比較的スッキリ言えたからだ。
「なんで食券に<うどん>まで書いてくれないんだろ?」
と思ったものだったよ。
もしくはボタンの数を揃えるのが大変だったら、先に<そば>と<うどん>を押すようにすればボタンも減らせるのかなと。
ようやく吃音を克服できた今となってはいい思い出担っているのだけれど、本当に泣けて来たさくらの演技だったな~
ここで終わっておけばよかったのだが・・・
完全に引いてしまった救急時の吃音
いや、やっぱりあるんだよ、吃音者にとっては電話は大の苦手なのに、ましてや救急なんかだったら完全にテンパっちゃうだろうなというのは。
でもですね、どもって救急車が呼べないってストーリー的にはいいのかもしれないけど、いま現に吃音で悩んでいる人たちのことを考えたらどうなんだろ。
吃音の程度の分布みたいなデータはわからないけれど、おそらくいくら救急で焦っているからってあそこまで言葉が全く出ない吃音者は多くはないと思う。
完全にデフォルメし過ぎなのでは?
僕が怖いのは、あのさくらの状態が、吃音者の平均と思われること。
それでもすでに働いている人はいい。
最悪なのがこれから就職をしようとする人たち。
面接で少しでもどもろうものなら、「吃音者」としてのレッテルが貼られ、結果として面接をクリアする率が下がらないだろうか?
企業の人事担当者の方たちが、必要以上に吃音者の評価を悪くしないことを祈るのみである。
そして吃音者の君へ。
必ず吃音を克服できる道は残されているので、そんなに固くならずに楽しんでいこう。
比較的重い吃音者だった僕がいうのだから間違いない。