吃音症の治し方を躍起になって探している人は多いと思う。
というか吃音者のほとんどは、吃音に悩み苦しみ、飲食店などに入っても選択肢が減ったり、自信がモテる恋愛が出来ずにヤキモキした思いを経験しているのではないか。
もちろん、過去の僕もそうだった。
失敗すると何でも吃音のせいにしてしまうという、自暴自棄を経験したこともある。
30代後半になると、20代の頃と比べると吃音に対する絶望はなくなっていた。
結果として30代最後の年にある電子書籍との出会いをきっかけに吃音克服を果たすことができたのだが、実はその少し前に、大幅に吃音の改善を予測させることが起こった。
それが図らずとも、どもりグセがあっても支障がない仕事についた結果のことだったのである。
ここでは、その仕事と、その仕事が吃音症の治し方だと確信した理由について振り返ってみたい。
どもりグセがあっても大丈夫な仕事
まずどもっていても支障のない仕事についてであるが・・・
ひとことで言ってしまえば、ライターである。
特に最初に取り組んだのは、何か商品やサービスをセールスするためのコピーライティングだった。
この「書く」という作業をしているうちに、自分でもみるみるうちに、吃音症が改善されていくのがわかったのである。
今まで、事あるごとに語頭がスムーズに出てこなかったり、どもりたくないと思うばかりに何か言葉を発しようとするも無音状態で窒息しそうになったことも何度も経験した。
そう、会話の流暢性が全く無いのが吃音症の特徴。
それが次第に、流暢に、スムーズに発話できるようになってきたのだ。
なぜコピーライターを始めてから、吃音症が改善し、事実上、僕にとっての吃音症の治し方となったのであろうか?
ライターになることが吃音症の治し方になった理由
最大の理由は、無意識に頭のなかを整理して会話を始めるというクセがついたからだと思う。
小さい頃から吃音のクセがあった人なら、誰しも親に
「落ち着いて話しなさい」
「話す前に頭のなかを整理してごらん」
「ゆっくりでいいから焦らないで話そうね」
などと言われたことがあるだろう。
それなのに一向に吃音は良くならない。
つまり、
- 落ち着いて話す
- 頭のなかを整理して話す
- ゆっくり焦らないで話す
などという小手先の技術は、吃音の根本的な治し方にはならないということがよく分かる。
一方で、ライターを仕事にしてからは、無意識に頭のなかで文章の流れなどを考えるクセがついた。
ここでポイントなのは「無意識」だ。
話す前に頭の中で整理するという点では、以前とやっていることは同じなのだが、昔、どうしても吃音症を克服したいと思っていた頃は、意識的に頭のなかを整理していたわけだ、当たり前だが・・
意識して整理したものは、やはり意識して語頭のどもりに注意を払うことになる。
すると皮肉にも、意識しすぎて潰れてしまうという悪循環に陥ったのではないだろうか?
その点ライター脳になると、別にどもらないように頭の中を整理しているわけではないから、結果として話し始める時も、特にどもる恐怖を感じて話し始めるわけではない。
つまり万事がスムーズに事が進むのである(笑)
なんとなく尻切れトンボの振り返りになってしまったが、最も効果のある吃音症の治し方として、単に頭で話すことの整理をするだけではなく、普段から文章を書いてみることを提案したい。
おまけに、ライターという仕事には力を入れる度合いによって、パートタイムレベルからでも取り組める土壌がある。
実際に、お小遣いを稼ぎながら吃音が克服できると思ったら、忙しい人は抜きにしてもやらない手はないと感じる今日このごろ。