吃音者としては、どもるのを少しでも防ぐために、様々な抵抗をする。(キレイな言葉で言えば創意工夫をする)
特に僕の場合には母音(あ行)の発音が数百万倍苦手だったので、会話のはじめに母音が来る時には、大好きな横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)が連敗する時よりも恐怖だったことを今でも覚えている。
そしてなぜか、挨拶の言葉というのはあ行で始まることが多い。
- おはようございます
- ありがとうございます
- お疲れ様です
まさにあ行のオンパレード。。。
そんな過酷な状況の中、とにかく覚悟を決めなければならないのが、得意先への電話であった。
今日の回顧録は、そんな得意先に電話する時に、どもるのを出来る限り回避するために工夫した記憶を蘇らせようと思う。
電話でどもるのを回避したシンプルな方法とは?
方法はいたってシンプル。
写真のように、あらかじめスクリプト(電話で話すセリフ)をメモ帳か何かに書いておくだけ。
これは、小学校や中学時代に朗読をしている時は、どもりにくかったというところにヒントを得たものだ。
相手方に担当者がいる場合には、当然、不在の場合のシナリオも予測して書いておく。
とにかく電話でのやりとりは吃音者にとってはパニックになりにくい。
時には、どもるところまでも行かず、最初の言葉がでなくて窒息しそうになったこともあった(汗)
スクリプト作りの工夫
スクリプト作りに厳密なルールみたいなものはなかったのだが、当然、出来る限りフレーズの頭にあ行が来ないことには注意した。
例えば
○ いつもお世話になります、結城物産の・・・
× お世話になります、結城物産の・・・
というような風に
そして、基本、御社(おんしゃ)という言葉も使わない。貴社で押し通すか、会社名で呼べばいいだけだ。
○ 鈴木建設さんでは・・・
× 御社では・・・
場合によっては、ニュアンス的に少しおかしな場面も出てくるかもしれないが、背に腹は代えられない。
特に相手に全く面識がないときなどは、相手の顔が見えない電話では、どもる程度によっては悪印象を与える場合も多々あるのだから・・・