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吃音者というのは、どもりをごまかすために健常者には思いもよらない努力をしていることもしばしばある。

というか実際、他の人はわからないのだが、少なくとも僕はそうだった。

すでに僕にどもりグセがあることをしている人にさえも、やっぱりどもっているところを見せるのは恥ずかしいのだ。

で、どもりを回避するために時に余計笑われたりもするわけだが、前回そんなことを思いながら回顧録を書いていたらある人物を思い出した。

ルー大柴である(笑)

例えばルー大柴の会話

ルー大柴といえば、本当は英語が話せるのだろうが、なんかいんちき臭い英会話のやり取りをすることで有名である。

横文字が入ったかと思ったら日本語が入り、助詞や接続詞で日本語を使い、名詞には英語を使うような会話が面白い。

今となっては、そんな会話をする人も少なくはないが(とはいえ日常的にそんな話し方をされたら若干疲れるが・・・)、一番最初にやった時はセンセーショナルだったのだろう。

この英語交じりの日本語というのは、僕の大好きなサザンオールスターズのボーカル、桑田佳祐も利用している。

もちろん、歌詞の中でだが・・・

で、彼らが吃音者であるとは思わないが、吃音者の僕目線で行くと、どもりそうな時に、横文字でごまかすというのは結構有効だったりした経験があるのだ。

アメリカかぶれか!?

例えば、「ありがとう」、「おはようございます」

それぞれ母音が最初に出てくるので僕にとっては発話しにくい単語の一つだ。

これを英語で言えば当然、「サンキュー」、「グッドモーニング」となり格段とどもる可能性が下がる単語に変わる。

他にも「あなた」を「ユー」にしたり、「いきましょう!」を「レッツゴー!」といったり、上げてみればキリがないほど、英語にすると有利な場面がある。

事実、僕は中学の時、英語の授業は大好きで、高校は英語の授業が充実しているところを受験しようと思ったくらいだ。

※親父に「通訳なんかで飯が食えるか?」と反対されて諦めた記憶がある(汗)

このような経験から、何か普通と違う話し方をしている人も見ると、

(この人、もしかしたら吃音者かもな)

と、一瞬ではあるが思ってしまう。

かなりとりとめのない振り返りになったが、案外、アメリカかぶれで横文字なんかを不自然に使っている奴は吃音者かもしれないという話であった。

かつての僕みたいに(笑)