今の時代、遺伝の研究が進みどんなヒトの特性にも遺伝が関係してくることが判明してきている。
37歳の時に正社員としての職業生活にピリオドを打ち、その後40歳になる手前で彼女に振られてからは本当に吃音症をなんとか克服せねばと考えた。
その際に>吃音を克服するきっかけとなった教材<で勉強している時に目に止まったのが、吃音症に関する原因の一つである。
なんと吃音症には遺伝が関係あるというのだ。
DNAの研究もここまで来たかという感慨
さすがにその教材の内容をすべてここで明かすことは憚れるのでできかねるが、エッセンスの部分だけ覚書程度に記しておく。
吃音の原因というのはそもそも体質に依存するそうだ。
その体質を司るのが紛れもない遺伝子だという。
事実昨今、吃音体質になるDNA遺伝子が発見されたというから静かな驚きだ。
このような新事実を一番どもりに悩み苦しんだ社会人2年目の頃に知っていたとしたらその先の人生が少しは変わっただろうか・・・
こんな振り返りは無用の長物だ。
なぜなら、今はすでに克服できているのだから、この事実に感謝しなければいけない。
ということで僕が吃音に遺伝を感じた具体的な理由を。
吃音に遺伝の可能性を感じたシンプルな理由
それはズバリ、祖母がどもっていたということ。
子供の頃は、自分がどもっているということはものすごく特別に感じ、他にどもりグセがある人なんていないと考えていた。
必然的に身内にどもる人間が居るなんていうこともまったく頭のなかにはなし。
それが、40歳になって医学的な方面から吃音の勉強をするようになってから気づいたのが祖母のどもり。
お墓参りかなんかで祖母の家に行った時のこと。
ひさしぶりの孫(僕)の顔を見て祖母はこう切り出した。
「ひひひひ、ひさしぶりだね~」
「ここここ、こうた君、いいいつも、おお仕事大変でございます」
というではないか。
これを聞いた時に、やっぱり祖母にはどもりグセがあったんだと確認した。
というのも、すでに教材で理論的に吃音に遺伝が関係していることを学んだ時、身内の中にどもりグセがある人間はいないかと探していたから。
思い返していれば、この祖母。
すでに僕が小さい時から言語的におかしなことがあった。
それは、孫の名前を一度で呼べないこと。
祖母の不可解な孫の呼び方
孫の名前というかヒトの名前を呼ぶ時に、1回目では正しい名前を呼べず、必ず3人位の名前が出てくるのだった。
例えばこんな感じ。
「ひひろし、ゆゆみこ、ここうた」
「やややすこ、ななるみ、こここうた」
僕はこの祖母にとって初孫だったので幼少時は、僕の前に呼ぶ名前は叔父や叔母の場合が多かった。
その後、孫がたくさん生まれてくるに従って、孫の名前のオンパレード。
子供ながらに、確かにおばあちゃん、なんで名前を一度で読んでくれないのだろう?
と感じたことを覚えている。
僕の実例やDNAの研究からも遺伝が吃音症に関係していることは間違えなさそうである。
さらに僕の中で驚愕だったのが、最近、母親までもがどもるようになってきていること。
僕の症状が克服レベルまで緩和されたかと思ったら今度は母親だ。
しかし、母親はそれほど重度ではないし、気にしないヒトにはわからないレベル。
それにもう母は家にいればいいのだから・・・
なんて思っていたら、今度は民生委員という自治会の役員をやるらしい。
あの吃音に悩み苦しんでいた頃と比べると、なんだか滑稽に見えて仕方がない今日このごろ。
つくづく克服できてよかったと思う。
もちろん祖母や母を恨んではいない。